昔美空ひばりは『悲しい酒』を歌う時、必ずツツ―ッと涙を流した。実は秀樹にも泣かずにはいられない1曲がある。それがこの『漂流者たち』なのだ。
漂流者たち
『漂流者たち』は、西城秀樹の43枚目のシングルである。
1982年9月30日にRCAから発売された。
秀樹27歳。
独立前最後のシングル曲
前回の記事の通り、この『漂流者たち』を芸映での最後のシングル曲として、翌年1月1日に秀樹は独立する。
作詞・作曲:石坂まさを
編曲:瀬尾一三
『ホームスイートホーム』の主題歌
またこの曲は、秀樹も出演した日本テレビ系ドラマ『ホームスイートホーム』の主題歌でもあった。
上記ドラマの主演は桃井かおり(役名:みづえ)。
みづえと勇一(秀樹)は、長年離れて暮らしていた姉と弟だ。
2人は大人になってから出逢い、実の姉弟と知りながら恋愛関係に陥ってしまう。← 桃井かおり相手に複雑な役どころ~ @(||_||;)@
びっくりしたのは当時一世を風靡していた桃井かおりが、その人気を裏づけるかのようにモテモテの役柄だということだ!← そういう立ち位置だったのね~ @( ;∀;)@
なんせ、勇一(秀樹)は、恋人の藤谷美和子よりも桃井かおりを選ぶのよっ← ありえん!@( ;∀;)@ ←失礼猿
そうして妻子持ちの木下藤太(前田吟)も桃井への未練を断ち切れない。← そうっすか @(゚∀゚)@ ←無関心猿
最終回、実の弟である勇一(秀樹)を愛してしまった桃井は、再び郷里を後にすることとなる。=漂流者……と。
……という訳で、主題歌『漂流者たち』は、主人公桃井かおりのことを歌った内容だと言える。
ああ~、桃井かおりのタバコ片手にけだるい話し方が蘇ってくる~!四半世紀ぶりにね~@(;・∀・)@
★『漂流者たち』の全歌詞はこちら ↓ です~@(*^_^*)@
独立前に人生を振り返る歌
……が実はこの歌は、上記主題歌要素とともに、独立前の秀樹27年の人生を振り返る歌、となっているんだよね。
まさしく秀樹の人生とオーバーラップしてくる歌なのだ。
男子が箒振り回して『薔薇の鎖』をまねした(←掃除の時間毎度これ;)頃には思いも寄らなかった時間の経過を感じさせる。
【イントロ】
ポ・ロロロン ポ・ロロロン(ピアノ)
シャラララララ(タンバリン)ポ・ロロロン ポ・ロロロン(ピアノにギターが加わる)
ツルルルルルルン(ヴァイオリン) (ン)チャチャチャチャ―ン(ン)チャチャチャチャ―ン チャチャ―(ギター)
感心しちゃうのは、ワンポイントで入るタンバリンやヴァイオリンが、アレンジにドラマティックな効果を上げていることだ。
…… と、歌に入ると、そのメロディが意外や意外、フォーク調なんだよね。← これが泣かせるんだよ~ @(T_T)@
【1番 Aメロ】
青春とは名ばーかりの海を
漂ーいさまよぉってー
幸せには ほど遠ーい・朝を
迎えることがあるー
アコースティックギター1本に乗せる歌唱。
「(青春とは)名ばーかり」「(幸せには)ほど遠ーい」という言葉の詰め方伸ばし方が、ド・フォーク『神田川』の「洗いーがみがー」を思わせるような、”はしょり節”なのだよ~ ← フォークの必須単語「青春」も出ちゃってるしね~
こ、これはキツイ。
フォークで過ぎ去った青春を振り返ることほど、胸に迫るものはないからだ。
HIDEKI RECITAL ~秋ドラマチック~
秀樹は、シングル『漂流者たち』を発表後、『HIDEKI RECITAL ~秋ドラマチック~』と題した秋のツアーを行った。
この秋のツアーは、1982年11月21日には日本武道館で開催された。
以下、その時の模様である。
語り
コンサートでは『漂流者たち』を歌う前に、以下のような秀樹の語りが入っている。
海が見えてきて 波の音が聞こえてきて
人生なんて大変な言葉が 頭の中を ふっとよぎったりして
不思議だなぁって思う
楽しかったことっていうのは 1つ1つ断片のようにしか思い出さないのに
悲しかったことは 1度にどっと 思い返される
まるで雪だるまのように膨らんで
きっと人生って 全体としては 悲しいものなのかもしれない
人間て 悲しい生き物なんだ
いろんなことを経験し いろんなことを知りながら 年を重ねていく
悲しみは 避けて通れない
だけど これだけは 信じられる
人と人との出逢いに 人と人との間に 優しさがあれば
悲しみは 自然にやわらぎ
人と人との別れに希望があれば
悲しみはやがて 人生のかけがえのない思い出になって行く
これはもう、『独立』への思いしか語っていないでしょー!
「人生」には「別れ=独立」という避けて通れない「悲しみ」がある
そうした時に思い出すのは、不思議に「悲しかったこと」ばかり。←家出して上京し、マネージャー宅に居候させて貰い、狭い部屋から長い脚をはみ出させながら眠ったこととか、夜中にお腹が空いて涙が出たこととか、ヒットがなかなか出ない中、喉から血が出るまで歌の練習したこととかぁぁぁ、よく耐えたよ~!← 猿語り@(T_T)@ ← 秀樹の語りより長くなりそう……;
いやいやいや、熟考に熟考を重ねて独立の覚悟をしても、いざとなると不安でいっぱいになる様子がよく分かる。
「人生」に訪れた「別れ=独立」は「悲しみ」ではあるけれど、それが人々の「優しさ」によって自然にやわらぎ、かえがえのない思い出になって行くことを願ってー。
ところで、そんな思いをしてまで何故独立をしたかというと……。
その理由につきましては、こちら ↓ をご覧くださいませ @(//_//)@ ←堂々巡りじゃん
涙
さて、そうして歌い出した『漂流者たち』であったが、秀樹が涙声になったのは2番だったね。← 涙声になっても最後まで歌いきるけれどね~神だからね~ @(;_;)@ エライじょ〜
【2番 Aメロ】
故郷とは色あせた駅に
汽笛―が響くだけー
夕焼には父母も薄れ―
戻れーる道もないー
「故郷」「父母」と来たら、もろに生まれてから今まで歩んできた道だ。
そうして今は「戻れる道もない」
ファン
秀樹の「青春」のど真ん中にいたのは私たちさ~
という訳で、いよいよサビに私たち登場~ ← そんなぁ~いいのに~@(T_T)@
【サビ】
そんな時君のためになーやみー
そんな時君のためにうーたいーーー
心の悲しみただ背負ってあげたーいー
特に「そんな時君のためにうーたいーーー」のロングローンで入れる渾身のビブラート。
青春を歌にファンに捧げ頑張った秀樹。
それが真実であればあるほどこみあげて来る思い。
秀樹は優しい。
秀樹はいつもいつもファンへの感謝を口にしていたけれど、
秀樹、私たちこそどうもありがとう~。← これからも秀樹一筋ですからぁぁぁぁ@(T-T)@ 及ばずながらぁぁぁぁ
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秀樹の涙
上記コンサートでもTV出演時でも、『漂流者たち』を歌いながら秀樹は、フレーズのさまざまな箇所に自らの人生をオーバーラップさせて涙した。
それだけ”ワイルドな17歳”のデビュー時からここまで、華やかでありながら苦難の道を歩んだ、ということだろう。← セクシーな道もしっかりと刻みつつ~ @(//∀//)@
独立とともに、また振り出しに戻る …… というような感情が、過去の苦労と重なる歌詞が、秀樹を涙させたように思う。←そもそも”漂流者”って響きはどうなのよ~@( ;∀;)@? ← 先駆者とか、開拓者とか、実力者とか、あるじゃ〜ん
そうしてこの涙が、独立に関するさまざまな疑念を私たちファンに抱かせてしまった、というのも事実である。← 愛するがゆえの心配 @( ;∀;)@
それでは~、泣かないで秀樹~ @(T_T)@
西城秀樹で『漂流者たち』です。どうぞっ!
↓『HIDEKI RECITAL ~秋ドラマチック~』での秀樹の熱唱です。
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