『RE_PRAY』については、本年6月頃に、羽生結弦本人からその攻略本が出されるとされている。ゲーム的な内容は攻略本に任せるとして、本公演を通じて羽生選手が伝えたかった内容について考えて行こう。
パラレルワールド
本公演の特徴は以下の点だ。
前半と後半との関係が、パラレルワールドの関係【諸条件が同じでありながら、「Yes」と選択するか「No」と選択するかで異なった展開となる、平行する2つの世界のこと】となっている。
上記前半というのは『いつか終わる夢』~『破滅への使者』までで、休憩をはさんで、後半は『いつか終わる夢;Re』~『春よ来い』までの演目となっている。
この前半と後半の間に挟まる休憩で、いきなり皆さまが出口へダーッと猛ダッシュされたので、初体験の私は
『何事っ⁉』とびっくりしてしまった~ ← トイレへのダッシュだった ← 切実だよね~ @( ;∀;)@
前半と後半とを比較すると、両者の展開は対称的【1本の線を挟んで、相対するように逆の現象が起こること】である。
★ それぞれのフェーズで滑るプログラムの詳細は ↓ 以下の記事に載っています~ @(*^_^*)@
前半の物語と謎解き
前半と後半とは以下のような同じ始まり方をする。
因みに、正面の巨大スクリーンではゲーム機を前に羽生が演技をしている。
そうしてその脇に字幕が添えられ、羽生自身がその字幕を朗読してくれるのだ。← @(T-T)@ 優しい声!
激流に飲まれている
周りには命がある
手にすればここから逃れる力を手に入れることが出来そうだ
流れる命を手にする?
(※ 激流とは「日常」のことだと、後に明かされる。日常に埋没している状態。)
⇓ 「流れる命を手にする?」に対する答え
前半 …… 「Yes」を選択する
後半 …… 「No」を選択する
「キャラクターYuzuru」の爆誕 と「自由」について
上記、「Yes」を選択した途端に、ゲームの世界に「キャラクターYuzuru」が爆誕するのだ。
ゲーム少年Yuzuruはコントローラーを巧みに操作している。
ゲーム少年Yuzuruが操作している画面の中では、「キャラクターYuzuru」が生きている。
その内、操作しているゲーム少年Yuzuruが本体なのか、画面の中の「キャラクターYuzuru」が本体なのか、混沌としてくるほどに、熱中している。
このゲーム少年Yuzuruがまた、怪しい色気を発散するんだよ~ ← リンク上の羽生選手との相乗効果がヤバい~ @( ;∀;)@ 「キャラクターYuzuru」も可愛いです!
そうしてゲーム少年Yuzuruは以下のように宣言する。
私がこの世界のルールだ。
もう激流 (日常) に飲まれることのない「自由」を手に入れた。
滑ったプログラム
①『いつか終わる夢―original―』→②『鶏と蛇と豚』
トロッコ問題の提示
ゲーム少年Yuzuruが操作する「キャラクターYuzuru」は、敵を倒し、成長し、宝物を手にし、素材を集め、装備を固め、より強い敵を倒していく。
その途中で、不意にトロッコ問題が出題される。
トロッコ問題とは?
トロッコが線路の分岐点に差し掛かかる。
一方を進めば、線路上の5人を轢いてしまう。
もう一方の線路を進んだ場合は1人を轢いてしまう。
この状況で、トロッコが進む方をどちらか1つ選べ、というものだ。
もちろん、正解・結論は永遠に出ない。
上記「トロッコ問題」が、本ストーリーのゲーム設定に即した形で出現する。
凄いのは、ゲーム少年Yuzuruとともに、会場中の私たちも、その選択を迫られる状態に追い込まれる、ということだ。← 私たちも必死よ〜 @( ;∀;)@
こうして……
私たちも、命の重さを意識せずにはいられなくなるのである。
滑ったプログラム
③『阿修羅ちゃん』
ゲームの中の命
命の重さを認識する一方で、
ゲーム少年Yuzuruは、先へ進みたいという欲望と、なんでこんなことをしているのかすら分からなくなってしまう程の使命感に駆られ、「キャラクターYuzuru」が死んでもまた再生させを繰り返して、ゲームを進めていく。
その内に、以下のような感覚を覚えて行くのである。
もうちょっとだったのに
1回死んでやり直そ
ここで、自らの命 (怪我) を防衛するという生命体の本能が完全に破壊されてしまう。
これは後に出て来る、
他人も、身体も、精神も、自我も、命も、道徳も、倫理も、異性も、想いも、夢も、希望も、憎しみも、嫉妬も、決意も、全てを壊して、
という具体的なセリフと激しく呼応するものである。
滑ったプログラム
④『MEGALOVANIA』
競技者としての自ら
前半最後の場面、いよいよ「ラスボス」が登場する。
「キャラクターYuzuru」は、氷上の羽生結弦となり、赤い炎と燃え盛って滑り、「ラスボス」を倒すのである。
そうだここで、
肉体そのものも、内面も、「キャラクターYuzuru」と氷上の羽生結弦とが一致する。
そうすると、ゲーム中の「キャラクターYuzuru」が苦悩していた、
勝利することの快感、道を切り開くことの達成感、次の物語の展開を楽しみ乗り越えることは、
他人も、身体も、精神も、自我も、命も、道徳も、倫理も、異性も、想いも、夢も、希望も、憎しみも、嫉妬も、決意も、全てを壊して、踏みつけて歩いてきた世界だ。
……というセリフが、
ゲーム内だけに止まらず、羽生結弦の競技時代の苦悩として響いてくる
え~、羽生くん、そんなことはないからね~ @(T_T)@ ダメよダメダメ
羽生くんって、頭も良過ぎちゃうから、経験そのものを、「抽象的な思考」とか「哲学的な思考」とかに置き換えていっちゃうのね~
加えて、自分に厳しい人はそれ故に、悲観的になりがちだものね。@( ;∀;)@ ← お気楽猿を見習って!← ヤだってw
滑ったプログラム
⑤『破滅への使者』
スポンサーリンク
後半の物語と謎解き
生命の謎
ゲーム少年Yuzuruは、ゲームの中に命を誕生させることに対して、
後半 …… 「No」を選択する
そうしてコントローラーを置き、ゲーム機から離れるのである。
するとゲーム少年Yuzuruには、数々の疑問が生じざるを得なくなる。
ねえ、誰が(少年Yuzuruを)動かしているの?
これ(=少年Yuzuru)を作った人は神様?
動かしているのも神様?
まさしく、
「生の深淵」「生命の謎」を少年Yuzuruは覗き込むのである
滑ったプログラム
⑥『いつか終わる夢 Re;』→⑦『天と地のレクイエム』
「自由」について 再び
後半はもう、歌で言えばバラードである。
ダイナミックで優雅な滑りの連続だからね~
その中で、
「自由」が与えられた
ルールが消えた世界
これが「自由」だ
というセリフが飛び出す。
ゲームの世界に比べ、生身の人間のルールのない「自由」は、暗闇の中にいるようでもある。
またこのセリフを聞くと、前半の物語で競技時代のことに思いを馳せてしまったものだから、
『羽生選手は既に、ルールの中で滑ることは卒業し、“新しい自由なスケーティングを手に入れようとしている” ということかな?』などとも思いを巡らす。← 猿知恵;
滑ったプログラム
⑧『あの夏へ』
祈り
「RE_PLAY」は「RE_PRAY」へと
祈り続ける
神様見えていますか
届いていますか
やさしくて はかなくて きれいで こわれそうで
守りたい
希望の ゆめの 命の
続きを
ゲーム少年Yuzuruは、大好きなゲームを通じてたくさんの物語に出逢った。
その中で見出したものは、自らと周囲の皆さまの「希望」「夢」「命」を守るために
祈り続ける【滑り続ける】こと
滑ったプログラム
⑨『春よ来い』
スポンサーリンク
物語とスケートプログラムとの呼応
以上、「物語」とフィギュアスケートの「プログラム」とが呼応した、見事な公演だった。← 感動~
これは羽生選手にしかできないね~ ← まず滑れる人いないでしょ @( ;∀;)@ ヒー!
ゲームというカラフルな具体の中に滑り込ませた、哲学的テーマ(=抽象的なテーマ)
という趣向にも非常に痺れる公演であった。← 次回も行くね~ @(*^_^*)@/ ← チケット当たるかどうかが~💦
↓ この記事を気に入っていただけましたら下のフィンガースナップ♥をぽちっと押してくださいませ。なな猿くんのランキングが上がります。
@(_ _)@ 応援してくださるととても嬉しいです☆
コメント