女性が社会進出した際の4つの問題点とその解決策【朝ドラ『虎に翼』寅子の苦悩】

♪百ね~ん先も覚えーてるかな♪で始まる『虎に翼』。女性の解放を謳いながら、女性の社会進出を阻むさまざまな現実も描いている。女性が社会進出する際に、注意すべきポイントを挙げて行こう。

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目次

A 生理

女性、男性と分類されているからには、女性特有の生理的事情という、困難がある。

第11話 生理で学校を休む寅子

寅子によねが、お月のものに効く「三陰交のつぼ」を教える

寅子は生理痛がひどく、生理が始まってから数日は寝込んでしまう。
この第11話でも、生理痛のため明律大学女子部を4日間休まざるを得なかった。

女って言うと男たちは、直ぐに「出産」「母乳」と来るもんだ!
しかし私たち女はそれ以前に、「胎児をはぐくむための機能」を備えて生まれてきている。

小学生高学年になって
「女子だけ残って」と先生に意味深に言われ、男子たちは急に色めきだって体育館から退出して行った。← 今は一緒に聞くの~ @(?_?)@

そうだ!生理は、小学校高学年前後から始まり、50歳前後の閉経を迎えるまでずっと続く。
生理はひと月に1回 (1週間) やって来る。

その度に、腹痛・ひどい眠気・だるさ・出血と貧血という体調不良に襲われる。← 私はその度にお腹を押さえ、夜中にうんうん言ってた~ @(||_||;)@

知るまい、男子よ……
中にはよねさんのように、生理でもケロッと何でもない方もいられます~ ← ラッキーガール!

解決法?☞ 寅子生理痛に苦しむ (68話)

生理痛に襲われる寅子

遂に寅子の重い生理の話が来たのが、68話。

起きるのも辛そうにしていた寅子だが、我慢して出勤する。
昭和22(1947)年より生理休暇が労働基準法に織り込まれたものの、「これだから女は」と言われたくないで、月経の痛みに耐えて働くしかありません」← なんて冷静なナレーション

恥ずかしながら…『猿に翼』← スピンオフ@(//_//)@

① 猿子はお月のものが重かった。

② 折しも社内に設立された『婦人の会』にて
「生理休暇は私たちが獲得した権利である。それを使わないでいると、不要なものだという勘違いが生まれる。行使しない権利はなくなってしまう。」という話が出た。
そこで猿子は思い切って、その月「生理休暇」を使って早退をさせて貰った。

③ 翌月、大胆にも猿子は、先月半日休めただけでも大変ラクだったのを思い出し、再び半日の生理休暇を申し出た。そうしたところ、管理職から
「生理の周期短くない?」と言われ……… ← 生理休暇は取るな、という遠回しな言い方;

④ 二度と生理休暇を取るのは止めた。

↑ どうにも貧相な事例で申し訳ありません @(_ _)@💦

しかも、生理は毎月のことなので、逆に休暇は無理なのかな?とも思っちゃった @( ;∀;)@ ←もっの凄く弱気〜 ← 後進の皆さま、ごめんなさい~

B 妊娠・出産・母乳

第39話 妊娠し仕事を辞める寅子

今日で仕事はおしまい!これからは母親だけでいい!と言われても……

妊娠して間もなく寅子は弁護士という仕事を辞めている。

それは日本で唯一の女性弁護士という自負に押し潰されたためと、体調をかえりみずに膨大な仕事量をこなそうとしたため、であった。
しかし、寅子が職を辞すまでに周囲から掛けられた言葉は、まるで鈍い刃物で優しく切られるような、男性たちの予定調和に満ちた言葉であった。← @(>_<.)@くっ!

38話:穂高先生に妊娠を告げると、
「それは仕事なんかしている場合じゃないだろう。(はて?) 結婚した以上、君の第一の務めはなんだね?子を産み、良き母になることじゃないのかね?(今ここで私が辞めてしまえば、法曹界に女性が進出していく道を閉ざしてしまうという寅子に、穂高は君の役割は終わったと暗に告げ、寅子は激昂する。)……、落ち着かないか、あんまり大きな声を出すと、お腹の中の赤ん坊が驚いてしまうよ。」← ギャー!妊婦寅子、あやされるの巻

39話:法律事務所を経営している雲野(男)と同僚の岩居(男)
岩居「無理して子どもに何かあったらどうする。ご婦人の弁護士がここに来ると分かった時から、こうなることは予想していたよ。」
雲野「佐田君、弁護士の仕事を休んで、子育てに専念することも大事なことじゃないのかな。」
保坂「私もそう思うな。もう弁護士の資格は持っているのだから。仕事への復帰はいつだってできるんじゃないのかね。」

【補足】当時の社会通念から考えると、女性が出産を経て仕事に復帰する可能性は0である。

たとえ「弁護士」という前人未到の偉大な職業に就くことができたとしても、女性は出産までの腰かけだって俺らは分かってた!つーの!(以上、男性一同の思考である)

弁護士は女子一生の仕事!後進の為にも!(寅子の志と男性の思考との間には、どえらいギャップがあった)

しかし、これがもしも勤め続けていた場合、
① 妊娠3ヶ月目から約1ヶ月間襲い来るつわり← 唯一の食料はレモン;
② 妊娠安定期に入るまでの流産の予防
➂ 臨月に入るまでは早産に要注意

…… と出産までの「とつきとうか」は本当に用心が必要な母体なのである。

出産後1年間は母乳が出るので、せっかくだから栄養と免疫が豊富な母乳で育てたい、と思ってしまうのも自然の摂理か。

解決策☞ 法律が味方してくれる (45話)

日本国憲法 公布

第45話、敗戦後、優三とデートした河川敷に座り寅子は、新しく公布された日本国憲法を読む。

日本国憲法 第十四条
すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない

猪爪家の男たちが皆亡くなってしまったり働けなくなったりで、寅子には、弟の進学と一家の経済を支える必要は生じていた。

そうであったとしても、働くことへと寅子を強く励ましたのは「法の下に平等」という言葉である。

遂に来たー!法の下にある男女平等!
法が男性優位を定めていた時代は終わりを告げた。← 余りにも理不尽だったよね~ @( ;∀;)@

C ジェンダー (男性の社会的役割分担) バイアス

穂高先生の退官を祝う会でも女性は寅子ただ1人

第71話 働く女性として脚光を浴びる寅子

アメリカでの裁判視察団に参加、帰国後は『新時代の開拓者 佐田寅子~理想的な社会をつくる為、格闘する毎日~』と題された取材を受ける寅子。
それだけ社会で働く女性はもの珍しかったのである。

たとえ法の下に平等であっても、社会で働き食い扶持を稼ぐのは男性、というジェンダーバイアスは強固なものだ。

後進の女性たちとの懇親会で寅子が、
「女性が男性と対等の立場で仕事ができるよう、できることはして行くつもりよ。」と語るように、まだまだ女性の社会進出の道のりは遠い。

(補足) 意外と知られていない現在の法制度

家事を完璧にこなすはるは私たちの憧れでもある

『虎に翼』からはやや離れるが、現行の法律も女性が社会で働かない方がある意味お得であるようにできている。

男女に関わらず、勤労し収入が生じた場合、そこから毎月、バカにならない金額の社会保険料が差っ引かれる
この月々の社会保険料が年金などの原資となる訳である。

さて、男性の定年後、まあ男の方が平均寿命が短いから、先に夫が亡くなった場合を考えよう。

専業主婦の場合

自ら収めた社会保険料は0円で、
夫の年金額の3/4の遺族年金をもらえる

共働きの女性の場合

自ら収めた社会保険料は男性と同額(自らの年金確保のため)で、
夫の遺族年金は0円 (もらえない!)

上記法律からは、「扶養に入った女性は庇護するもの」という「明治民法」の名残のようなものが窺える。

しかし油断ならないのは、じり貧にある日本の財政が更に行き詰まり、上記、「扶養家族の女性に遺族年金を付与するという法律」が変更・廃止されることも起こる得る、ということだ。
扶養家族であった女性たち」は、たちまち老後の収入を絶たれ路頭に迷うことになる。

解決策 “生涯の生活資金を稼ぐのは男”というジェンダーバイアスにはこだわらない (45話)

一人娘の優未を置き、仕事に復帰する寅子

そもそも寅子の家には稼ぎ手となる男がいない
皆、戦争で死去してしまったのである。

夫、兄、父(戦争等による心労と老衰)をなくした寅子の家では、稼ぎ手になり得るのは弟だけであった。

案の定第45話、
「(帝国大学への進学は諦めて)僕がこの家の大黒柱になる」という弟。それを
「大黒柱になる必要なんてない!」と寅子は一喝し、自らが法曹界に戻って働くことを決意する。

当時、社会的無能力者である女性が、上記のように切り出すことも凄いが、それ以前に社会の一コマになり得る「職業に関する資格・知識」を女性の寅子が持っていることが驚異的である。
それ故に、寅子は「稼ぎ手は男」という概念をクリアして、自らがそれになり得たわけだ。

D ジェンダー (女性の社会的役割分担) バイアス

女性の担うジェンダー (家事・育児) はどこから発生したか?(←明治民法から)については、以下の記事に書いてありますので、よろしければお読みくださいませ @(_ _)@

第37話 久保田パイセン弁護士を辞める

甘味処『竹もと』にて久保田先輩から「弁護士を辞める」と聞く寅子

まだ寅ちゃんが弁護士を続けていた頃、偶然出会った久保田先輩から「弁護士を辞める」と告げられて、すごくびっくりするんだよね。
その時の久保田先輩の弁が、
結婚すれば弁護士の仕事も家の事も満点を求められる……。絶対満点なんてとれないのに

上記は、『女性の第一義の任務は家事&育児という、キッツ~イ固定観念』の上に、『仕事』が乗っかる形だかんね。

今世の中に溢れているじいさま方が何故あんなに暇かというと、彼らは家事を分担された経験がないからだ。
定年後に仕事がなくなれば、何もすることがない。

女は生涯家事を割り振られ、仕事をしようとするならば、仕事は膨大な家事育児に上乗せの形となる。← 無理っしょ

解決策1☞ 家事・育児は母親とお嫁さんに任せる (52話)

家事・育児なんでもやっちゃう2人の女

女性の社会進出にとっての1番のチョモランマ、「家事」「育児」に関して、寅子はヒジョ―に恵まれている。
なんせ家には、実母のはると戦争未亡人で寅子の親友・花江2人も女がいるんだもん!!!

第52話では仕事から帰って来た寅子にはるが、
「(夕飯の)お料理手伝って」というが、既にはると花江で厨に立っており、花江はできあがった料理を皿によそっている段階。

一人娘の優未は、花江の二人の息子たちに遊んでもらえ、寝る前は絵本まで読んでもらえる

第53話では遂に、優未のお風呂も花江が入れてくれているというエピソードまで飛び出した!

優未の不穏

寅子に褒めてほしい優未

…… と羨んでいたら~、第14週(66話~70話)になり、仕事に主軸を置く寅子に対して、一人娘の優未に不穏な影がー。

まずは第12週で母・はるは逝ってしまい、6人家族で暮らす家を花江1人で切り盛りしている。
子どもたちはそれぞれ、花江の長男・直人が高校1年生、次男・直治が中学1年生、寅子の娘・優未は小学1年生となった。

話数寅子と優未と家族
66茨田りつ子が言及したことにより、一躍有名人となった寅子は仕事に邁進する一方で、帰宅時間が遅くなり、花江の息子たちと先に寝てしまう優未とは擦れ違い。
67最高裁判所初代長官 星朋彦の本の改訂作業を心から楽しむ寅子は、帰宅後もその作業を続ける。(改訂作業は仕事とは別に土日に行われていた) 窓越しにそんな寅子を見て、淋しそうな優未の姿が。
68① 帰宅した寅子に優未は84点のテストを見せる。

「優未頑張ったでしょう?」と口添えをする直人らに対し寅子は、
「間違えたところはきちんと復習して勉強するのよ。そうしたら次は100点だから」とー。褒められると思っていた優未は複雑な表情。
↑ 優未の方には34点を84点に改変したのでは?疑惑がかかっている

② 翌朝まだ寝ている寅子に、
「(自分はもう)お姉ちゃんだから送ってくれなくて平気!」と(あてつけがましく言って) 優未は学校へ出かける。
寅子の弟 直明に「だって、優未とじゃ(お母さんは)きらきらしないから」と本音をこぼす。
第14週
なな猿

来た来た!
仕事と家庭の板挟み。
寅ちゃん乗り切ってください🙏
そうして乗りきる方法を私たちに教えて〜!

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社会に進出中の寅子

桂場に自らの昇進について交渉する寅子

朝ドラ『虎に翼』において象徴的なのは、寅子が、
「はて?」という第一声を発しながら、自らの意見を述べて行く場面だ。

寅子は働くことに自己の確立を見出して楽しんでいるが、一方で、働くことは、非常に大変な、心身を酷使する行為でもある。← 毎日が勤労感謝の日 @(_ _)@

しかし、社会経験を積むこと、社会において鼻をへし折られること、自身の能力を発揮すること、は己を高める貴重な契機となるのも確かだ。

社会に出れば、女性も自らの能力と経験をもって、社会の中に自身の立ち位置を見出すことだろう。

しかしそれと引き換えに、妊娠出産への覚悟、家事育児をこなし切れない葛藤や疲労は日常的につきまとう。

「女の社会進出には時期尚早」と言っているうちに、既に百年が過ぎた。

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