NHK朝の連続テレビ小説『虎に翼』は、「女」を使ったことわざに「?」を付けて週タイトルにしている。これらことわざの意味と、主人公寅子がそのことわざをどのようにくつがえしていくのか、をまとめてみた。
第1週「女賢しくて牛売り損なう?」
女が利口なふりをしてでしゃばると、かえって本来の無能を見透かされて、物事を失敗する、の意
女学校に通う寅子は、優三(仲野太賀)に弁当を届けるために明律大学を訪れ、桂場(松山ケンイチ)の講義を立ち聞きしたことをきっかけに、穂高教授(小林薫)から、女子部法科への進学を勧められる。
これを聞いた母のはる(石田ゆり子)は
「頭のいい女が確実に幸せになるためには、頭の悪い女のふりをするしかないの」と言って、寅子に見合いを勧める。
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後日寅子が、甘味処「竹むら」にて桂場と出逢い「(優秀な男たちの中に入れば女は)泣いて逃げ出す」と言われるに及び、はるは
「そうやって女の可能性の芽を摘んできたのはどこの誰?男たちでしょ!」と言い返す。
「?」成功、ことわざには異議あり!
“女はバカ”という事実はなく、男の中にある”女はバカでいて欲しい”とする心理が反映されてでっち上げられたことわざ
第2週「女三人寄ればかしましい?」
女はおしゃべりだから、三人も集まれば非常にやかましい
※ 女+女+女=姦しい =やかましいの意
明律大学に入学した寅子は、華族令嬢の涼子(桜井ユキ)、留学生の崔香淑(ハ・ヨンス)、弁護士の夫を持つ三児の母・梅子(平岩紙)、男装のよね(土居志央梨)らと同級生になる。
ある日よねと傍聴した離婚係争中の裁判について、穂高が女子部全体で議論することを提案したことがきっかけとなり、女子部総出で裁判を傍聴することにまで発展する。
その結果、明治民法下では無理と思われた妻側の主張が通る判決が下る。
「?」マーク成功!
やかましいどころか、議論することによって前向きな結果が得られる
第3週「女は三界に家なし?」
女は、子どもの頃は親に従い、嫁いでからは夫に従い、老いては子に従うものだということから、安住の場はない、ということ。
※ 三界:仏教でいう欲界、色界、無色界すなわち全世界を表す。
この週は、新入生勧誘のために用意した法廷劇を男子に台無しにされつつ、女子部の同級生たち2人の境遇が明かされる。
法廷劇で扱った『毒饅頭事件』を再現するために女子部でお饅頭を作るなど、見どころいっぱいの週。
よねは親によって身売りされるところを逃れて来た身、涼子は桜川男爵家の跡継ぎの男子を産むよう、母の寿子(筒井真理子)からうるさく言われる。
寅子の兄 直道(上川周作)に嫁いだ親友の花江(森田望智)も、姑はるとの関係に悩んでいた。
「?」マーク失敗⤵️
全くことわざ通りの女性たちの現実であった!
第4週「屈み女に反り男?」
女は前に屈み、うつむき加減の姿が良く、男は胸を張った、反り加減の姿が良いということ
明律大学に進学した寅子らは、花岡(岩田剛典)ら、男子学生と席を並べることとなる。
しかし親睦のハイキングで、梅子の夫に妾がいると男子学生が言い出したのを発端に花岡が、社会的地位が高く、経済力のある男性が妾を囲うことは称賛に値すると発言。
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納得できない寅子は、期せずして花岡を崖から突き落としてしまう。
「?」マーク成功!
当該ことわざは、妾を囲ってそっくり返るような男の保身のために作られたものということが発覚
第5週「朝雨は女の腕まくり?」
朝に降る雨はじきにあがるのと同様、女が腕まくりをしていくら力んでもすぐにへたばり、少しも怖くない、ということ
「共和事件」に巻き込まれた寅子の父、直言(岡部たかし)。
検察側(=男)の人権を蹂躙する拷問により作り上げられたでっち上げを、家を預かるはる(=女)が記していた「主婦乃手帳」の日々の記録と、寅子(=女)が有する法律の知識とでくつがえす。
直言以下全員無罪判決を勝ち取る。
「?」マーク成功!
男女に関係なく、地道に正しい行いをして来たものが力を持つ
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第6週「女の一念、岩をも通す?」
女の執念が深いこと、の例え
明律大学女子部の女学生は、弁護士になるための高等試験で全員不合格になる。
しかし、その不合格の内実には、男子学生に点数の底上げをしたり、女性に対し、固有の価値観から外れることを許さなかったりする、不当な尺度が働いていた。
さまざまな事情で同級生が2回目の受験を諦める中、寅子は再度挑戦し見事合格する。
「?」マーク、名誉の失敗!
女の一念、岩をも通す!なんだよ~!
第7週「女の心は猫の目?」
猫の目が光によって変化するように、女の心は気まぐれで変わり易いということ
弁護士になったものの、依頼者が付かない寅子。
一方で、寅子が想いを持ちながらも擦れ違ってしまった花岡が、婚約者とともに現れる。
依頼人の信頼を得たい寅子は、花岡への傷心がきっかけとなり、結婚(=社会的信用)を願うようになる。
度重なる見合いを断られた寅子に夫として名乗りを上げてくれたのは、優三であった。
「?」マーク半分成功、半分失敗
女も男もくるくると心が変わるものだ
第8週「女冥利に尽きる?」
女に生まれた甲斐があること。女に生まれたことの幸せ。
契約結婚のような形で優三と一緒になった寅子だったが、優三の優しさに接する内に恋心を抱くようになり、優三の子どもを身ごもる。
弁護士を諦めた同級生たち、弁護士を辞めてしまう先輩の久保田(小林涼子)の分も背負おうとした挙げ句、体調を崩した寅子も結局弁護士を辞める。
そんな矢先、優三にも召集令状が届く。契約結婚を詫びる寅子に優三は言うのである。
「トラちゃんが僕にできることは謝ることじゃないよ。トラちゃんができるのは、トラちゃんの好きに生きることです。また弁護士をしてもいい、別の仕事を始めてもいい、優未のいいお母さんでいてもいい。僕の大好きな、あの何かに無我夢中になってるときのトラちゃんの顔をして、何かを頑張ってくれること。いや、やっぱり頑張らなくてもいい。トラちゃんが後悔せず、心から人生をやり切ってくれること。それが僕の望みです」
「?」マークは、ことわざの真偽を検証するのではなく、“女の幸せって一体なんだろう”という問題提起に付けられることになる
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人生を自由に選択できることが女の幸せである(=女冥利に尽きる)
第9週「男は度胸女は愛嬌?」
男性には度胸が、女には愛嬌が大切だという意味
男女それぞれに備わっている資質を表したもの
寅子の兄であり花江の夫である直道は戦死。
弟の直明(三山凌輝)は帝大進学を諦める。
年老い体調を崩した直言は、寅子の夫である優三が戦病死した知らせを隠すほど、一家を支える力を失っていたが、やがて死去。
父親・兄・夫という男の働き手を失った猪爪家であった。
「僕がこの家の大黒柱になる」という弟を一喝した寅子は、自らが法曹界に戻って働くと決意する。
「?」マーク成功!
「女はただにこにこして、男は外に出て稼ぐもの、という既成概念」は、男女をともに圧迫し苦しめるものであった
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第10週「女の知恵は鼻の先?」
女性は、目の前のことだけにとらわれて考えており、遠い先を見通す思慮に欠けている
女性の知恵はあさはかである
久藤 (沢村一樹 ライアン) の後押しもあり、元同級生の小橋 (名村辰 ハーシー・発芽玄米・失礼垂れ流し野郎) らと司法省で働くことになった寅子 (サディ) 。
GHQ主導のもと、新しい憲法に基づく新民法の策定、という仕事に就く。
GHQとの取り次ぎ役はホーナー(ブレイク・クロフォード)。
弁護士を途中で投げ出したことが引け目となり自身の主張を抑えてしまう寅子だったが、明律大学での恩師・穂高の女性庇護にかたよる発言に「はて?」となる。
自分を取り戻した寅子は民法改正審議会での席上、帝国大学 神保教授(木場勝己)に対し、
「女性は、前の民法『家という庇護の傘の下において守られてきた』という部分が確かにあるのだと思いますが、それはあけすけに申せば大きなお世話であると」と反論する。
「?」マーク成功!
旧態依然にとらわれがちなのは時として男性の方であり、女性の方が未来を見据えた建設的な思考・意見を有することは多々ある
第11週「女子と小人は養い難し?」
女性と徳のない人間は、近づけると図に乗るし、遠ざければ怨むので、扱いにくいものである
闇市を裁定していた花岡が、法を遵守するが故に栄養失調で亡くなったと聞き、寅子はじめ、世間、法曹界も衝撃を受ける。
戦地から戻った轟(戸塚純貴)は、再会したよね(土居志央梨)により花岡への思慕を自覚しつつ、共同で法律事務所を開くことを決意する。
1年が経ち、桂場(松山ケンイチ)らは、GHQの通達を受け、家事審判所と少年審判所を合併した家庭裁判所設立に向け動き出し、寅子もその準備室に異動。
この合併の件は難航していたが、癖の強いちょび髭上司・多岐川(滝藤賢一)のもと、「東京少年少女保護連盟」のメンバーである弟・直明の純粋な訴えかけ(キラキラ瞳!)が功を奏して、全国に家庭裁判所が設立される。家庭裁判所には花岡の妻が描いた絵が掛けられた。
一方で、かつての学友・崔香淑(ひょんちゃん)は香子(きょうこ)と名を変え、同僚の汐見(平埜生成)の妻となっていた。← 盛り沢山だ~ @(+∀+)@
「?」マーク成功!
少年審判所・所長の壇(ドンペイ)と家事裁判所・所長の浦野(野添義弘) ←ともに男 は、たえもない見得の張り合いで話し合いを難航させたが、直明の率直な働きかけにより、ころっと解決に向かう → 結構扱いやすいw
第12週「家に女房なきは火のない炉のごとし?」
家に主婦がいないのは、炉の中に火がないのと同じで、大事なものが欠けていて寂しいということ
昭和24(1949)年1月、全国に家庭裁判所が設立される。最高裁判所家庭局事務官、そして東京家庭裁判所判事補になった寅子は、多岐川とともに戦争孤児の問題に向き合う。
視察に出かけた寅子は上野の街でスリの少年・道男(和田庵)を追い、よねと再会する。轟とよねは焼け残ったカフェー「燈台」に弁護士事務所を開いていた。
寅子ははるの了承を得て、道男を猪爪家に居候させるが、花江にとった態度が誤解され、道男は家を飛び出してしまう。
心労から倒れてしまったはるだが、死の迫る中道男を愛情によって更生させる。道男は裁判の傍聴マニア笹山の営む寿司屋に住み込みで働くことになる。
「?」マーク、哀しみの中、良い意味で失敗
母親・はるがなくなった猪爪家は、改めてはるの存在の大きさを確認し、寂しさを感じるのであった。
第13週「女房は掃きだめから拾え?」
妻を迎える時は、自分より格下の家からもらうのがよいという意味
多岐川は家庭裁判所の広報のため「愛のコンサート」を開くことを提案。
その一方で、寅子たちは女子部の同級生だった大庭梅子の夫が亡くなったことによる相続争いの裁判を担当することになる。新しい民法に基づいた相続である。
帝大卒の弁護士である長男・徹夫(見津賢)は明治民法を引き合いに出し、自身が全財産を相続することを主張。
傷痍軍人として自堕落な生活を送る次男の徹次(堀家一希)は、母である梅子が相続を放棄することを願う。
大庭家を取り仕切る祖母・常(鷲尾真知子)は徹太の妻(於保 佐代子)と折り合いが悪く、唯一優しく育った三男・光三郎(本田響矢)に自身の介護を任せたいと言い出す始末。
結局、父親の妾だった元山すみれ(武田梨奈)と光三郎が恋愛関係にあることを知ると、梅子は遺産も家族の世話も姑の介護も全て放棄すると宣言し、家を出るのであった。
「?」マーク成功!
ことわざの意訳になるが、女が格下に見られ、家族や義両親の面倒を負わなくてはいけない時代は終わりを告げた
第14週「女房百日 馬二十日?」
どんなものも、はじめのうちは珍しがられるが、すぐに飽きられてしまう(=新しさを保つ期間は短い)というたとえ
妻は百日、馬は二十日もすれば飽きてしまうとの意から
寅子は、最高裁判所長官の星朋彦 (平田満さん) の本の改稿作業の手伝いを引き受け、星の息子・航一 (岡田将生さん)とともに作業する。著書の序文には、「(法律は)人が作ったものです。古くなるでしょう。」という一節があった。
一方、家裁では日本人の男性とフランス人の女性の離婚調停を担当。
息子の栄二 (中本ユリス) は窃盗事件を起こし、両親ともに栄二の親権を手放したがっていた。
そんな中穂高 (小林薫) の退任記念の祝賀会に出席した寅子は、穂高の言葉に反発する。
翌日、寅子の元へやって来た穂高は、「佐田君、気を抜くな。君もいつかは古くなる。常に自分を疑い続け、時代の先を歩め。立派な出がらしになってくれたまえ。」と告げ、わだかまりは解消された。
栄二の問題は、両親以外に頼れる伯母の存在を明かしたことをきっかけに、少年部と家事部が連携して解決。
寅子が少しだけ家裁の理想に近づいた頃、穂高は穏やかにこの世を去った。
「?」マーク半分失敗、半分成功
『人間 (の思考) は老いて古くなる (=新しさを保つことは難しい)』は真実であることが星と穂高によって語られた ← 女性だけが古くなる訳ではない
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第15週「女房は山の神百石の位 (にょうぼうはやまのかみひゃっこくのくらい)?」
「女性、妻はきわめて大切なものである」ことのたとえとして用いられる言葉
寅子はアメリカ研修からきらびやかに帰国。
「家庭裁判所の母」と呼ばれ有名人となった寅子に、女学生時代からの既知である記者の竹中が取材を申し込む。
この竹中の取材を通じ、家族にも後輩にも、一方的に自身の正論を押し付ける寅子の傲慢な姿が浮き彫りになる。
家庭裁判所では、福田慶太 (中村無何有)とその妻・瞳 (美山加恋)の離婚調停を担当する。
不貞行為をし夫から離婚を申し立てられていた瞳は、寅子を逆恨みし刃物で切り付ける騒動までに至る。
桂場から新潟への異動を命じられたことを契機に寅子は、花江を始め、娘の優未、弟の直明、甥の直人らが、寅子に居心地の悪さを感じていたことを実感する。
寅子は、心身ともに仕事に打ち込むが故に、知らず家庭をないがしろにしていたのである。
新潟に立つ前に、女学生時代の同級生・香子と和解。
同じく同級生であったよね、轟、梅子にも別れのあいさつをし、いよいよ優未と二人、新潟へと向かう。
「?」マーク失敗。
女性が担ってきた家庭経営という役割は重要なものである ← しかし、旧態然と女性が家庭経営を担い続けるもの、とは言っていませんから!← イヤに険しい口調 @(||_||;)@
第16週「女やもめに花が咲く?」
女やもめは、夫のめんどうを見なくてもよく、その分だけ身奇麗になり、周りの男も放っておかないからうわさも立って華やかになること
(妻を失った男の身の回りは、家事に手が回らず不潔になる ← ヤーネ!)
※ やもめ …… 配偶者を失って独身でいる者、のこと
寅子は新潟地方・家庭裁判所三条支部に、初めての女性支部長として着任する。
深田庶務課長 (遠山 俊也) 以下職員や助役・消防署長、それに地元弁護士の杉田兄弟 (兄の太郎役:高橋克実・弟の次郎役:田口浩正)。彼らは、1・2年間だけの支部長なのだから、「波風を立てず、立つ鳥跡を濁さず」に去って行ってほしいと思っている。
特に、杉田兄弟は買い物や夕食の算段など、何かにつけて「馴れ合い」「持ちつ持たれつ」の関係に寅子を取り込もうとする。相手が乗って来ない時の、太郎の「舌打ち」はその現れである。
山林境界の現地調停の際に、書記官の高瀬雄三郎 (望月 歩) は、地元イチの名士である森口から、早逝した兄のことをしつこく話され、暴行に及ぶ。案の定弁護士の太郎は穏便にとりなそうとするが、寅子は拒絶する。慣れあいの関係を断ち切り、「怒りたい時に怒ることができるように」と思って高瀬を処分する、のだと言う。そういう寅子に高瀬は心を開く。
一方、優未がテストの点数を再び書き換えようとしていたことを発端に、優未も亡き父・優三と同じように緊張するとお腹が痛くなるという話を聞く。
ところで、寅子が新潟地方裁判所本庁を訪れた際に、航一が馴染みしている店、「喫茶ライトハウス」で眼にしたのは、元女子部の同級生・涼子であった。
「?」マーク半分失敗、半分成功
着任早々川に落ちたりして (=寅子オフィーリア) 大した色気も発揮しないが、航一が登場し、寅子の無邪気な発言を『自分への好意?』としてドギマギするのは、やはり女やもめの魅力故かw?
第17週「女の情に蛇が住む?」
女の情愛は執念深い。 深入りすれば恐ろしいものだ、という意
新潟編の第2週目。
元男爵令嬢の涼子様 (桜井ユキ) とお付きの玉ちゃん (羽瀬川) の来し方が明らかになる。
明治17年7月の「華族令」によって「公・侯・伯・子・男」という5つの階級の爵位が定められた。
華族には金禄公債が付与され、不動産などの基本財産が保護された。
また、華族の身分は男性による世襲とされた。← 現在の天皇家、歌舞伎・能楽の家がそう。
しかし戦後、日本国憲法第14条2項で「華族その他の貴族の制度は、これを認めない」と定められたことにより、廃止された。
涼子の桜川家には跡継ぎの男子がなく、華族身分の廃止によって莫大な借金を抱え、屋敷や使用人を手放さざるをえなかった。さらに新潟の別荘を売却、『ライトハウス』を購入し、涼子と玉は喫茶店を営むことになる。
玉は、空襲で吹き飛ばされたときに腰を強打して車いす生活になったが、英語力が実を結び、受験生たちを教えるまでになっていた。
しかし玉は、「身分からもお母様からも解放されたのに……これ以上、お嬢様の負担になりたくない」と思い悩み、身体障害者福祉法 (昭和24[1949]年12月) によって創設された更生施設に入所できないか、と寅子に頼む。
結局、涼子と玉は、それまでの主従関係を改め、「親友」として、支え合って生きていく決意を固める。
一方で、杉田太郎弁護士が主宰する麻雀大会に参加しようと、麻雀の勉強を始めた寅子。
なんと航一も麻雀好き。
しかし麻雀大会当日、太郎弁護士は優未を見るやいなや堰を切ったように大泣きする。
長岡の空襲で一人娘と孫娘を同時に亡くした悲しみが、思い起こされたようだ。
航一が太郎を抱きしめ、「ごめんなさい……ごめんなさい」と繰り返した中に、彼の「秘密」が隠されているようだ。
調停では、地元の有力な山林地主である森口の娘・美佐江 (片岡凛) が、新潟で頻発している少年たちによる窃盗事件をそそのかしている可能性が浮上する。。
「?」マーク良い意味でも悪い意味でも失敗
涼子と玉は、女性同士の深い情愛に支えられ、幸せな未来へと歩み出す
一方で、美佐江の屈折した情愛に深入りした少年たちは、犯罪を犯すまでに……
女の情愛から逃れる方法 by 寅子 ☞「心の拠り所が1人だと、関係がいびつになって対等ではなくなって行く。失った時、なかなか立ち直れない。だから (優未には) 拠り所をたくさん作って欲しかったんだ。」
第18週「七人の子は生すとも女に心許すな?」
七人の子をもうけるほど長年連れ添った妻にも、気を許して大事な秘密を打ち明けてはいけない
女には気を許すな、の意
新潟編の3週目。
新潟地裁では、朝鮮国籍の金顕洙 (許秀哲)が、火災保険金を狙い、自身が経営していたスマートボール場に放火したという件で裁判が開かれる。
傍聴席にいた弟の金広洙 (成田瑛基) が日本への不信感をあらわにして激したところを、三条支部の裁判所事務官の小野知子 (堺小春) が韓国語でなだめる。
知子は、朝鮮人の男との結婚を反対され、婚約を破棄した過去を持っていた。
起訴状によれば、被告人が弟に宛てて書いたハングルの手紙に犯行を認めた文言があるということだったが、これが誤訳であることが判明し、被告人は無罪となる。
わざわざ新潟まで足を運び、手紙を翻訳してくれたのは、崔香淑であった。
一方で、先週星航一が、杉田太郎弁護士に「ごめんなさい」と謝っていた理由、「秘密」が明かされる。
航一はかつて、「総力戦研究所」の研究生であり、敗戦が分かっていた悲惨な太平洋戦争を阻止できなかった無念さに苛まれていたのだ。
寅子は泣き崩れる航一の背中をさすり、「私にも苦しみを分けてください」と言うのであった。
「?」マークの成否は、まあ不明
航一は、寅子たちに自身の抱える重大な秘密を打ち明けてしまったが …… 吉と出そうだけどね~(笑)
第19週 「悪女の賢者ぶり?」
心の悪い女が賢人のふりをして外見を装うこと
新潟編の4週目。
寅子と航一の距離が次第に縮まり、ついにお互いの気持ちを確認し合った1週間。
優未の存在を最優先するという寅子に、「お母さんが、誰のことを好きでも嫌いでもいいけど私のせいにしないで」と返す優未の胆力には、祖母であったはるを見る思い。
寅子が手作りし優三に持たせたお守りの中に、戦病死する前に書いた遺書が入っていたことが明らかになる。そこには、航一のような男性の出現を許す優三の言葉があった。
また、裁判所事務官である高瀬雄三郎と小野知子の、恋愛感情のない「友情」結婚というのも、嘗ての寅子と優三が行った「社会的地位」のための結婚を思い起こさせるものだった。
花江が突然の来訪。寅子・優未・稲・花江達は、少しお酒の入った団欒を心から楽しむ。
「どうして悪い人から物を盗んじゃいけないのか、どうして自分の体を好きに使ってはいけないのか、どうして人を殺しちゃいけないのか」と、本来なら疑いようもないところに疑問を抱く森口美佐江。
彼女は、赤い腕飾りを渡しては、相手を操り、この疑問の答えを探していたのであった。
東京大学に合格し上京することになった美佐江とは、これからも一悶着ありそうだ。
「?」マーク失敗したり成功したり
寅子・知子・美佐江という3人の頭脳明晰な女性の恋愛模様が語られたが、恋愛に鈍感な女性だったり、理屈が勝った女性だったり、ぞっとするほどの悪女だったりと、三者三様過ぎてひとくくりにできないよ~💦
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第20週「稼ぎ男に繰り女?」
外に出てよく働いて稼ぐ男と、家を守り家事をうまくやりくりする女のこと
4週に渡って続いた新潟編は終了し、昭和30年、東京に戻ることになった寅子。
桂場 (松山ケンイチ)、久藤 (沢村一樹)、多岐川 (滝藤賢一) らと再会する。
一方東京地裁では、寅子のいる民事第二十四部で「原爆裁判」を担当することが決まる。
訴状を読んだ寅子は、原告代理人の欄に、以前お世話になった弁護士事務所の雲野 (塚地武雅) の名前を見つける。
さて寅子は、ともに帰京した航一 (岡田将生) との交際も順調に続けていた。
優未 (毎田暖乃) を連れて航一の家を訪れることになった寅子は、航一の継母・百合 (余貴美子)、長男・朋一 (井上祐貴)、長女・のどか (尾碕真花) と対面する。
2人は和やかに迎えられるが、航一の打ち解けた姿をエピソードとして話した途端に、航一の家族たちは気まずい雰囲気になる。
猪爪家では、結婚しても同居し続けたいと主張する寅子の弟・直明 (三山凌輝) と、自身の嫁姑問題の経験から、家を出るべきだという花江 (森田望智) とが対立していた。
寅子は猪爪家にて家族会議を行うことを決め、航一にその裁定役を依頼する。
家族会議当日、全家族に道男も交えた8人の前で、直明の婚約者・玲美 (菊池和澄) は、臆することなく理路整然と自身の意見を述べて行く。そうして、いつも自分の希望よりも玲美を優先してくれる直明の唯一の頼みが同居であると話し、「お試し」で同居してみてはどうかと言い出すのである。
「?」マーク成功!
今でいうZ世代なのっ⁉ 当たり前に男女平等の感覚で意見を主張し、結婚を「男性に身を委ねるもの」とはしない婚約者玲美の出現で、旧来の男女の役割分担が一気に雲散霧消化したことに圧倒されたよ~
第21週「貞女は二夫に見えず?」
貞操堅固な女は二人の夫を持つことをしない
東京へ戻ってからの2週目。
航一 (岡田将生) との結婚に際し寅子は、女性が当たり前のように男性の姓に変更する現実に疑問を感じる。(以下参照)
民法第750条
夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する
航一は寅子の「佐田(姓)」を名乗ろうとするが、航一の継母・百合 (余貴美子) は大反対。
紆余曲折を経、入籍はせず、互いが希望する財産付与などに関しては遺言をしたためることにして、「夫婦のようなもの」になることに落ち着く。
これにより、今後もお互いがそれぞれの名字を名乗り続けることができるのであった。
轟 (戸塚純貴) は、男性同士のため婚姻関係を結ぶことができない交際相手・遠藤 (和田正人) を寅子に紹介する。
一方で、寅子の弟・直明は交際相手の玲美と結婚する。← 玲美はサラッと猪爪姓に変えるって(笑)
後日直明は、結婚式を挙げない寅子と航一のため、あるサプライズを企画する。
直明のサプライズとして集められたのは、法服姿のよね (土居志央梨)、轟、梅子 (平岩紙)、涼子 (桜井ユキ)、香淑/香子 (ハ・ヨンス) といった寅子の明律大学の同窓生たち。そこには、同じく法服を着た先輩の久保田 (小林涼子) と中山 (安藤輪子)、さらには玉 (羽瀬川なぎ) の姿もあった。
こうして寅子と娘の優未 (毎田暖乃) は、手狭になった猪爪家を出、星家で新たな生活を始めることになるのである。
週タイトルについては論議されず、結婚に関するもっと進んだ議論がなされた週
今週は寅子の再婚、ということで「二夫に見えず」としたんだろうけれど、既に問題はそこを通り過ぎているのよ。← 寧ろ再婚へ向けての勢いはある
夫婦別姓問題だとか、同性婚が公認されない問題だとか、「結婚という形そのもの」への大いなる問題提起がなされたのであった
第22週「女房に惚れてお家繁盛?」
亭主が女房に惚れ込んでいると、外で浮気や道楽もせず家庭円満になるということ
星家で暮らしはじめた寅子 (伊藤沙莉) と優未 (毎田暖乃)。
航一 (岡田将生) の長男・朋一 (井上祐貴)、長女・のどか (尾碕真花) とはまだぎこちない雰囲気だ。
また、百合 (余貴美子) が星家の家事全般を引き受けていることに疑問を感じた寅子は、つい苦言を呈してしまう。
裁判所で開かれた中学生向けの勉強会で、男子学生から「女性は働かなくてもいい」という意見が出る。それに対し小橋 (名村辰) は、男子学生の気持ちに寄り添いながらも矛先を弱い者へ向けてはいけない、と諭すのである。
一方、判事補・秋山 (渡邉美穂) は妊娠したことを寅子 (伊藤沙莉) に相談。これをきっかけに、女性法曹のためによりよい労働環境を整えたいと寅子は「意見書」をまとめ、桂場 (松山ケンイチ) に提出する。
寅子たちとの同居を嫌い、出て行こうとするのどかに優未がマージャン勝負を持ちかける。勝負あったかと思われたその時、優未は故父・優三譲りの腹痛を起こしてしまう。
のどかは、自分たちを顧みることがなかった父・航一の変化を寧ろ苦痛に感じていたことを告げ、寅子は「家族のようなもの」を休むことを提案する。
ひと休み後、航一の家族たちと寅子・優未は、自然な家族関係を築くことができるようになっていた。
「?」マーク、良い意味で失敗
父親の家族への愛情が、家庭作りには不可欠なものであることを感じさせた週であった
第23週「始めは処女の如く、後は脱兎の如し?」
最初のうちはぱっとしないが、(他が油断していると)後になって手腕を発揮することのたとえ。
※ 脱兎とは:素早く俊敏であるさまのたとえ
昭和34 (1959) 年、寅子の弟・直明 (三山凌輝) と玲美 (菊池和澄) の間に子供が産まれ、ますますにぎやかになった猪爪家。
一方星家では、認知症の症状が進行する百合 (余貴美子) を、寅子 (伊藤沙莉) と航一 (岡田将生) が支えていた。
寅子の連れ子である優未 (毎田暖乃) は何かと介護を手伝うが、航一の長女・のどか (尾碕真花) は意図的に面倒を避け、優未から強く非難される。→ 後に和解
東京地裁では「原爆裁判」の準備手続が終了。いよいよ口頭弁論が始まるという時に、弁護士の雲野 (塚地武雅) が倒れ、帰らぬ人に。
後のことは、轟 (戸塚純貴)・よね (尾碕真花)・岩居に託される。
原告のひとりで、原爆により酷いケロイドを負った吉田ミキ (入山法子) が出廷を決意する。が、よねは
「あなたを矢面に立たせ (見世物的に扱われたり、誹謗中傷の対象にす) るべきではない」と考え、轟がミキの手紙を法廷で代読するという形で、彼女の悲痛な思いは伝えられた。
そんな中、昭和38 (1963) 年12月、「原爆裁判」の判決が言い渡される。
被爆者である原告側の損害賠償請求は退けられた (国の勝訴・原告の敗訴) 。
しかし、末尾に寅子が付け加えた「原爆の被害は一般災害の比ではなく、…… その救済策を取る職責は、もはや裁判所ではなく、立法府である国会と行政府である内閣にある」という文面は、後々の原爆に関する判断に大きな影響をもたらすものとなった。
「?」マーク良い意味で失敗 ← ……にしても呆れることわざだったね~@(+_+)@
明律大学法学部女子部の学生時代は、「女性初の弁護士は誕生するや否や?」と何とも頼りない状態であったのに、寅子は判事として、よねは弁護士として成長し、原爆裁判を確かな方向へと導いたのであった
第24週「女三人あれば身代が潰れる?」
娘が3人いれば、その嫁入り支度で財産を使い果たすこと
少年裁判 (学生運動)・公害裁判・尊属殺人裁判と種々の裁判が入れ乱れた週。
昭和44 (1969) 年1月、遂に桂場が、ついに、第5代最高裁長官に就任。
死期が近い多岐川のもとには、稲垣と小橋が馳せ参じ (稲垣は岡山家裁所長、小橋は鹿児島家裁所長) 、少年法改正に抗議する意見書を取り纏めた。
その内容は、「家裁の人間と己と向き合うことによって、心身の調和をはかり、再犯を防ぐ」ことを旨としたものである。
多岐川は抗議文を纏めあげ、死去。
桂場の苦悩は、少年法厳罰化だけでなく、全国で多発する公害訴訟もであった。
航一は最高裁調査官として桂場と対応を検討し、企業側が不服であれば自ら「過失がないこと」を立証するよう求める「立証責任の転嫁」を打ち出した。
これにより、 膠着 していた公害訴訟は大きく原告勝訴へと前進する。
轟とよねは、斧ヶ岳美位子 (石橋菜津美) の父親殺害事件の弁護を引き受ける。
昭和44 (1969) 年6月の東京地裁での第一審判決では、刑法第200条の「尊属殺重罰規定」は憲法14条違反であるとし、美位子には刑法第199条の一般殺人罪の規定が適用され、更なる情状酌量により刑が免除された。
(検察はすぐさま控訴)。
香淑の娘の薫は、勢いを増す学生運動に参加し、安田講堂占拠の件で逮捕される。一方で、香淑が司法試験に合格して弁護士資格を取得していたことも明らかに。
航一の娘・のどかは、長髪の芸術家・吉川誠也を家に招き結婚を宣言。
寅子の娘優未は、大学院で寄生虫の研究をしていたが、博士課程を中退すると言い出す。
驚いた航一は反対するが、寅子は航一を 遮 って、「どの道を、どの地獄を進むか諦めるかは優未の自由」だと言い、判断を優未に委ねるのであった。
「?」マーク失敗!
娘を育てるにはお金がかかる、というよりも「神経を使う」ということが強調された週であった
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第25週「女の知恵は後へまわる?」
女は知恵の回りが遅く、事が終わってからいろいろと考えつくということ
今週は、多種多様な女性の行く末が描かれるわよ~ @( ;∀;)@ ← 展開を追うのが大変になった猿
香淑 (ハ・ヨンス) は原爆被害に遭った外国人への支援を始めることを決意する。
寅子 (伊藤沙莉) と航一 (岡田将生) は、大学院を中退し、家中心の生活を始めた優未 (川床明日香) を見守っていた。
寅子は法制審議会少年部会の委員となるが、はじめから法改正 (少年法の厳罰化) ありきで議論を進めようとする部会にいらだつ。折に触れて多岐川 (滝藤賢一) のことを思い出すのは、桂場 (松山ケンイチ) も同じであった。
そんな中、明律大学女子部の一同が久しぶりに寅子の家で顔を合わせることになる。
司法試験に挑戦する涼子 (桜井ユキ) に、よね (土居志央梨) は自作の練習問題を持って登場。皆で問題を解きながら、学生時代を懐かしく思い出す。
寅子の弟の直明 (三山凌輝) 一家は近所に引っ越すことになり、猪爪家ではささやかなお祝いが開かれた。
美位子 (石橋菜津美) の尊属殺人事件は、なかなか進展を見せない。このまま事務所で暮らしたいと言う美位子によねは、依頼者の身の上を立ち聞きしその不幸を味わうことで安堵するのは止めろ、と強くたしなめる。
航一の息子・朋一 (井上祐貴) は桂場の手により、見せしめとして最高裁事務総局から家裁に異動を命じられる=ブルーパージ。朋一は、航一と寅子に、裁判所を辞めたいと打ち明ける。そこで、桂場に真っ向から意見する航一だったが、心ならずも鼻血を出して倒れてしまう。
ある日寅子は、東京家裁の廊下で森口美佐江 (片岡凜) の娘・並木美雪 (片岡凜 ※一人二役) に出くわす。少女は同級生の少年を突き落とした疑いで調査を受けていた。
審判のあと、寅子のもとに訪ねてきた祖母の佐江子 (辻沢杏子) は、美佐江は上京後、自身の凡庸さに絶望して自殺したこと、美佐江は寅子に救いを見出していたこと、を告げる。
「?」マーク成功!
女性は知恵が回らないどころか、頭脳を駆使して、資格を獲得したり制度に異議を唱えたり自身の存在意義を問うたりしているのだ ← なめたらあかんぜよ!
最終週「虎に翼」
強い力を持つ者にさらに強い力が加わることを意味するたとえ
@(∂∀∂)@ 遂に最終週に至り、「女を使った諺」でもなく「?」も付かなくなりました~ ← こういうかわし方はシャレオツ~
しかしてtoday, 月曜日の回を見ちゃったけれど、朋一は家具職人を目指し始め、よねは裁判で「糞だ!」って言っていたわよ。
人が翼を得るには、出征前に優三が寅子に言っていた、「(トラちゃんの) 好きに生きることです」に尽きるのかもね。← 最終回の前にまとめるな~ @( ;∀;)@
つづくっ!
ワタクシ、反射的に論じ出すお喋りな寅子に自身を重ねながら (←似てんの”お喋り”だけやん@(//∀//;)@) 毎日楽しく拝見しております。
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